安寺沢から平石橋へ

安寺沢といえば、大休場尾根の登山口だが、登山口脇には「平石橋へ3.0Km」という標識も建っている。ずっと気になっていたが、今日、この道を進んで平石橋まで行けるか試してみた。

あっさり林道へ

装備は日帰り登山+eTrexだったが、早々にeTrexは電池切れで退場。買ってからのお遊びが過ぎたようだ(24時間持つらしいのに)。問題の道自体は安寺沢の西を軽く登ると小さな峠へ出る。そこを尾根伝いに登る道らしきものと、峠からあがってくる道の分岐となっている。峠を下ると、民家の裏を経て安寺沢線の終点に合流する。民家の裏には、もう一本「日原線No.9へ至」と書かれた道がある。

全然平石橋に行かない。

平石山の支尾根

やはり峠のところを尾根伝いに登っていかなければ行けないのか。峠まで引き返して尾根伝いに登り始めるとしばらくして尾根が消えて山腹を直登する状態になった。
目の前に稜線があるので、とりあえずそこまで無理矢理登ってみると、ずいぶんきれいな尾根に出た。ここはだいたい600m位の高度。

北へ向かうと平石山まで登ることができそうだった。南へ行くと尾根伝いに下っているので平石橋まで行くのだろうか。しかしもっと西へ距離を稼がないと行けないはずなので、どこかで尾根を外れていかなければならないだろう。
尾根にはところどころ木々に白いテープが巻かれているので使われてたようなので、南へ向かってみた。

鉄塔発見

しばらくはらくちんな尾根を下ると、鉄塔を発見。なおも奥に白いテープの木々があるため、さらに下る。だんだん厳しくなってきているが、なんかケーブルも脇にあるので気にせず下る。ケーブルの謎はしばらくしたら、テレビアンテナを発見して解消した。安寺沢の人たちは自前でケーブルテレビやっていたのだ。なおも下っていく。

道喪失

この時点で高度は450m位まで下っている。安寺沢は500m程度、平石橋は300m台なので、あと半分くらい下ればいいのかと思い、こりゃ楽勝かもと思っていたら、どんどん坂が厳しくなっていった。右手側は伐採(というか剪定)されていたので、だれかがそこへ行っているわけで、そろそろ山腹の平石橋へ向かうだろう謎の道がないと、日原側へダイブすることになると焦り始める。しかし白いテープの木はまだ尾根上にある。
日原街道が見えて、集落も見えるが、これを下ると断崖になっていそうな気が猛烈にする状況に陥り、「こ、これはもしかして遭難しちゃってる?」と正しい自己認識に目覚める。17:30頃で、あと1時間程度で行動できなくなるので今決断しなければツェルトが大活躍してしまう。というより、その前に滑落しそう。

引き返す

別に自分がいる位置が分からない訳ではないので引き返せば良いだけ。だが、ライトがあるとはいえ、暗くなるのは困る。それにGPS君があっさり電池切れしたため、ライトもそうなら嫌だなぁとか考えると焦る焦る(ライトは予備の電池も持ってきたが)。
500mくらいのところまで上がると右手(安寺沢集落のほう)に道がないか探してしまう。例によって白いテープが巻いてあって誘うのだが、場所的にはほぼ水平移動になる筈なのにテープは下へ誘っていて怪しいので無視。

エンディング

テレビアンテナ、鉄塔を越えて気持ちいい尾根に戻ってきた。ここから東へ降りていく場所を探さないと行けないのだが、なぜか、かなりきれいな階段を発見して、そこから下ることにした。行きに登ったルートは正規ルートとは思えなかったためだ。階段を下るとほどなくしてなんと「日原線No.9へ至」を観た地点へでた。18:05くらい。生還の感動のあまりしばらく動悸が収まらなかった。

まとめ--平石橋への道

峠を越えて、「日原線No.9へ至」から尾根上へでて、そこからは平石山へ登り、山頂から素直に平石橋へ直接下る尾根をたどるというルートが正解ではないかと想像する。
もっとらくちんなルートがあるのではないかという下心から今回ひどい目にあってしまった。

そして、もう一つの収穫は、もし上記の予想が正しければ、本仁田山からの下山ルートがもう一つ増えるということ。
登山地図に載っている平石山から下る点線ルートは一度使ってひどい目にあったが、この道なら楽に下れそうだ。